根来戦記の世界

戦国期の根来衆に関するブログ

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日蓮と忍性、そして蒙古襲来

怒れる予言者・日蓮と、慈悲の人・忍性。このシリーズでは鎌倉後期に生まれた法華宗と真言律宗(新義律宗)、それぞれの宗派を代表する2人の確執、そして日本を襲った元寇について解説する。

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑩ 撃退された元寇 予言が当たらず困惑する日蓮

なお服部氏は、1回目の侵攻「文永の役」に関しても、独自の説を唱えている。まず元軍の数に関してであるが、池内説3万以上に対して、服部氏は1万6500人ほど(高麗史による)としている。そして池内説では「博多に上陸した10月20日に戦いが行われ…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑨ 「弘安の役」に関する、服部氏の新説

この記事では、前回紹介した服部英夫氏による著作「蒙古襲来と神風~中世の対外戦争の真実」の内容に基づいて、弘安の役の戦いの推移について紹介していく。 まず服部氏は、東路軍の進撃タイミングと進撃路に対して、以下のような説を唱えている――「通説では…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑧ 引き籠る日蓮 「弘安の役」で大勝する日本

甲斐国身延山に引きこもり、著作に励む日蓮。この間、彼は大量の手紙を弟子や信者たちに送っており、断片的なものも含めると現存するものは600点にも及ぶとも言われている(ただし偽物も多いようだ)。一次史料が大量に残っているということは、その人物…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑦ 鎌倉武士団 vs 元軍 「文永の役」戦いの様相

元は日本に対して、都合6回の使者を送っている(うち2回は本土までたどりつけず)。当初はガン無視を決め込んでいた鎌倉幕府であったが、さすがにそういうわけにもいかなくなった。こちらからも使者を送るなどの動きも見せているし、祈祷以外にもちゃんと…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑥ 日蓮最大の危機・竜ノ口法難と、遂にやってきた元寇

大国・元の脅しに対して、徹底して無視を決め込んだ鎌倉幕府。しかし幕府も、必ずしも無策でいたわけではない。この時点で幕府がとった対策は「そうだ!寺社に祈祷してもらおう」というものであった・・・これを読んで、思わず脱力してしまった人もいるかと…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その⑤ 社会事業にまい進する忍性 亡国の危機に焦る日蓮

日蓮は焦っていた。なにしろ同じ鎌倉にいる、新義律宗を率いる忍性の勢いには凄まじいものがあったのだ。 彼が成し遂げたこと――鎌倉幕府のトップである、北条得宗家に戒律を授け、仏の教えの上での師となる――は、実のところ日蓮がしたくて堪らなかったことな…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その④ 法難に逢う日蓮、躍進する忍性

浄土宗に深く帰依していた、その地の地頭・東条景信は、念仏宗を非難中傷する日蓮に対し、激しい敵意を抱く。景信による襲撃の恐れもあり、日蓮は故郷を離れ、一路鎌倉へと向かうのであった――というのが、現在の日蓮宗に伝わる公式ストーリーである。 しかし…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その③ もうひとつの鎌倉仏教 「真言律宗(新義律宗)」叡尊と忍性(下)

さて、叡尊が復興させた「通受」とは、どういうものであろうか。 戒律には多くのルールがあるのだが、大別すると3つに分けられる。「摂善法戒(善いことを成すための戒)」「摂衆生戒(衆生救済を目指す戒・要するに人々を救う戒)」「摂律儀戒(悪をとどめ…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その② もうひとつの鎌倉仏教 「真言律宗(新義律宗)」叡尊と忍性(上)

日蓮に関しては、これまで数多くの著作が出ている。何冊か読んでみたが、最も客観性があって面白かった本が、日本中世史・仏教史学者である、松尾剛次氏の著した「日蓮・戦う仏教者の実像」である。以降の記事の内容の多くは、この本に書かれていることを参…

日蓮と忍性、そして蒙古襲来~その① 戦う男・日蓮 その目的は「世界を正す」こと

さて鎌倉仏教のトリを飾るのは、日蓮宗である。おなじみ日蓮が開いた宗派であるが、開祖の名がそのまま宗派になっているのは、この日蓮宗だけである(ただし江戸期から。それまでは法華宗といった。なのでこのシリーズでは、以降は法華宗とする)。そういう…