根来戦記の世界

戦国期の根来衆に関するブログ

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中世に出現した、新しい仏教のカタチ

いわゆる鎌倉新仏教は如何にして成立し、どのように発展したのか?

中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その⑤ 法然の専修念仏(上) コペルニクス的発想転回「ただひたすらに念仏を唱える」 

法然は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した僧である。齢13にして比叡山に登り、その優秀さから将来を嘱望されていたが、18歳の時に比叡山黒谷別所に居を移してしまう。 叡山内には隠者的生活を営むコミュニティがいくつかあり(かつて源信が…

中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その④ 浄土思想と本覚思想・対立しあう2つの教義

ここまでの流れをまとめよう。 世に無常を感じ、そこからの解脱を目指す。物質や欲に囚われてはいけない。このように本来の仏教の教えは、厭世的側面が強かった。例えば出家。これは本来、持てるもの全てを捨てて解脱に挑む、という行為であったわけだ。 密…

中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その③ 日本人が自然に手を合わせるのは何故か?「本覚思想」について

これまでの記事で、鎌倉新仏教を構成する重要な3つのピースのうち2つ、「浄土思想」と「称名念仏」を紹介した。この記事では、最後のピースである「本覚思想」を紹介したいと思う。 この本覚思想、実は現代の日本人の精神性にも深く影響を与えている、極め…

中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その② 観想から称名へ(下) 称名の地位向上と、その流行

称名はこの時点ではまだ、観想ができない人が浄土に往きやすくするための、次善の手段に過ぎない。しかしこの考え方が変わる契機となった書が院政期に出現する。その書の名を「観心略要集」という。 さて、そもそも天台宗の根本教義は「空・仮・中」の三つの…

中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その① 観想から称名へ(上) 如何にうまく成仏するか

このシリーズでは、中世に出現した「庶民のための仏教」、いわゆる鎌倉新仏教を取り上げてみようと思う。内容が過去の記事と重複する部分もあるかもしれないが、ブログ主が頭の中を整理するために書いている意味もあるので、復習だと思ってお付き合いいただ…