根来戦記の世界

戦国期の根来衆に関するブログ

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2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

戦国時代の京都について~その⑤ 京の自治組織・町組 vs 三好の足軽

戦国期における京の、最も基本的な共同体の単位は「町(ちょう)」である。これは「同じ街筋の人々」からなる組織なのだが、構成が独特なのだ。「街路を挟んだ向かい側」に住む人々と、結成した共同体なのである。 京は他の町と違って、方形に区切られた区画…

戦国時代の京都について~その④ 巨大な「環濠集落」であった、戦国期の堺と京

そもそも堺は、遣明船貿易の拠点として細川氏が支配していた町であった。16世紀半ばには細川氏が没落し、三好氏がその後を取って代わる。だから堺には、三好氏の代官も滞在していたのである。だが、細川氏のように堺を直轄的な支配下におくことはしなかっ…

戦国時代の京都について~その③ 「自力救済」から生まれた「環濠集落」

古代から中世にかけてのトレンドは、中央集権から地方分権へ、というものだ。絶対的な権力者がいない、ということは逆に言えば、力のある者が自分の好き勝手にできる、ということでもある。事実、中世は「自力救済」、つまり「自分の身は、自分で守る」とい…

戦国時代の京都について~その② 総構で守られた城塞都市

戦国期に入ると、京都はどう変わったのだろうか。 戦国の京は、時期によって大きく姿を変えている。「応仁の乱」以前と以後とでも大きく変わるのだが、一番変わったのは、戦国末期の1591年に秀吉が10万人を動員して行ったといわれている、京の大改造だ…

戦国時代の京都について~その① 都市計画に基づいて設計されたが、その通りには発展しなかった平安京

新シリーズである――実はブログを開設した時からこの記事は用意していたのだが、根来衆関連のシリーズがひと段落ついたので、ようやく紹介できる運びとなった。「京の印地打ち」という小説を書く際に、戦国時代の京について色々調べたのだが、このシリーズで…

日本中世の構造と戦国大名たち~その⑫ 織田家の場合・信長の革新性とその中央集権度

シリーズの最後を飾るのは、みんな大好き織田信長である。彼の革新性については古くから定評があるのだが、最近ではそれを否定する方向で研究が進んでいるようだ。確かにこれまでの信長像は、「中世の破壊者」だとか「革命的な天才児」だとか、些か持ち上げ…

日本中世の構造と戦国大名たち~その⑪ 北条家の場合・「内政マニア」北条家

さてこの記事では、北条家のまとめとして、その「家風」を見てみよう。 初代・宗瑞から三代目の氏康治世の前半までは、北条家は関東においては新興勢力であったから、やむなく博打を打つこともあった。例えば二代・氏綱の時の「国府台合戦」や、三代・氏康の…

日本中世の構造と戦国大名たち~その⑩ 北条家の場合・その堅実かつ緻密な領域支配

さて氏綱であるが、彼は有名な「虎の印判状」を制定している。この虎の印判状がなければ、郡代・代官は支配下の郷村に公事・夫役の徴発などの命令を下すことができなかった。これまでローカル勢力に一任されていたこうした行為が、以後は伊勢氏の同意なしに…