根来戦記の世界

戦国期の根来衆に関するブログ

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印地について

日本古来からある、石投げ「印地」についてのまとめ

印地について~その⑥ 日本近世~近代編

天下統一が成り、戦乱の世も終わった。独立色の強かった様々な集団は、あらかた潰されるか、権益を取り上げられ幕藩体制という新しい仕組みの中に再編されていった。平和と秩序の時代の到来である。 発生するたびに死者が出る向かい礫など、お上にとっては百…

印地について~その⑤ 日本中世編(下)

さて節句の向かい礫である。京には大小の祭りはたくさんあるが、時代が下るにつれ「祭礼飛礫」は正月と節句、この2つの祭りに集約していったようだ。 拙著「京の印地打ち」では節句の向かい礫は、加茂川を挟んで行われていたように書いたが、実際にはみやこ…

印地について~その④ 日本中世編(上)

鎌倉期に入り、武士たちの時代が始まる。しかし西日本はまだ、概ね朝廷の支配下にあった。東の武士政権、西の王朝政権である。(「2つの王権」論に基づく。これに対する考え方に、「権門体制」論がある) 朝廷のお膝元、京においては、寺社勢力による「強訴…

印地について~その③ 日本古代編

まずは印地の語源について。「石打ち」から転化して「いんぢ」となり、それに後から漢字をあてたものらしい。「印地」のほか「印字」「因地」「伊牟地」とも記される。 既に弥生時代前期の遺跡から礫が出土している。石製ないし土製のものだ。古来よりずっと…

印地について~その② 戦場におけるスリングの弱点

武器としてこんな素晴らしいスリングだが、古代から中世にかけて戦場からは徐々に姿を消してしまう。理由はいくつかある。 まずは金属製の鎧と盾の普及。スリンガーたちも石弾を紡錘形に成形したり、より重い鉛弾を使ったりするなどして、攻撃力を上げる工夫…

印地について~その① スリンガーたち

「印地」とは一言でいうと石投げのことである。石を投げる行為だけでなく、それを含む日本特有の文化・技術・行事を指す。この章は「印地」ではなく、まずは「石投げ」について取り上げる。 「石投げ」は世界各国で最も原始的な遠戦手段として使われてきた。…