2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
禅系統の鎌倉仏教としては、前記事で紹介した栄西の臨済宗の他に、道元の興した曹洞宗がある。臨済宗との違いは何なのであろうか? 今回の記事は内容はなかなかに難しいので、書いているブログ主も自分の解釈が正しいかどうか、若干自信がない。致命的な間違…
禅宗を日本に持ち帰った栄西。しかし実のところ、他の宗派の例に違わず、禅の教え自体は、奈良時代から平安時代にかけて既に伝わっていたのである。例えば平安時代前期には、唐の禅僧・義空が皇太后・橘嘉智子に招かれて来日し、檀林寺で禅の講義が行われて…
栄西は平安末期~鎌倉初期にかけて活躍した僧である。備中国・吉備津神社の神官の家に生まれ、13歳で比叡山延暦寺に登り、かの地で天台宗の教学と密教を学んでいる。しかし彼は、貴族仏教化していた叡山に嫌気がさしていたらしい。中国の正しい仏法を学ん…
法然の浄土宗を皮切りに、道元・栄西・親鸞・日蓮など、鎌倉新仏教の宗祖らは、いずれも旧仏教サイドから弾圧された歴史を持つ。しかし一遍の時衆に関してはそうした例があまりない。これは何故だろうか? そのヒントが「一遍聖絵」に描かれている。前記事で…
信州小田切里にて行われた、初の踊り念仏。これを皮切りに、一遍らは踊り念仏を行うようになるのだが、まずは手探りといったところで、遊行先で必ず踊りが開催されたわけではなかったようだ。踊りそのものもまだ出来たばかりだったから、どのような手順では…
「人が勧めるから成仏できるのではない。大昔に阿弥陀仏の願いが叶った結果、全ての人が往生できるのだ。それはもう決まったことで、念仏を信じようが信じまいが、その人が清い人であろうが、穢れた人であろうが関係ないのだ。」――これが一遍の主張であるこ…