根来戦記の世界

戦国期の根来衆に関するブログ

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2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

室町期の仏教について~その⑥ 「禅の民衆化」に成功した曹洞宗

さて現代において最も寺院数の多い仏教宗派は何かというと、実は曹洞宗なのである。文化庁が発行している宗教年鑑によると、曹洞宗だけで1万4000を超えるのだ。次点が浄土真宗で本願寺派が約1万、3位が大谷派の約8000である。これまでの記事で紹…

室町期の仏教について~その⑤ 禅寺の興亡 その制度と文化(下)

次に禅寺における生活スタイルを見てみよう。禅僧たちは、基本的には僧房において集団生活を行っていた。彼らを率いるのは、既に悟りの境地にいる(はずの)師匠である。師と共に生活し、その一挙手一投足に注目し、そこから何らかの意味を見出すべく日々坐…

室町期の仏教について~その④ 禅寺の興亡 その制度と文化(上)

五山の禅僧には、宗教活動を行う「西班衆」と、寺院の経理や荘園の管理を担う職能集団の「東班衆」がいたことが分かっている。これはどんな宗派の寺院も一緒なのだが、巨大な寺院群を運営していく以上、このように役割を分担せざるを得ないのである。 例えば…

室町期の仏教について~その③ 室町幕府の財政を支えた禅寺

このように臨済宗は、室町幕府の下で大きく発展することになる。室町幕府は鎌倉以来の禅寺の「五山制度」をそのまま受け継いだが、この室町期に五山は官寺としての組織化が徹底して進むことになる。 一例として、室町幕府には「禅律方」という役職があった。…

室町期の仏教について~その② マルチな才能を発揮した禅宗のプロデューサー・夢窓疎石

弘安の役から18年後――鎌倉期も終盤にさしかかった1299年に、建長寺で入門試験が行われている。記録によると、この時の試験において上級でパスしたのは2人だけ、うち1人が夢窓疎石という僧であった。彼はこの時25歳、既に京と鎌倉の禅寺においてか…

室町期の仏教について~その① 武士たちにとって親しみやすかった、臨済宗 

これまでのシリーズで、仏教が如何にして日本社会に受容されていったか、そして2人の天才・空海と最澄の登場による平安仏教の興隆、更に鎌倉仏教の登場についてなどを紹介してきた。このシリーズではその後、南北朝から室町期において仏教各宗派はどのよう…